症状・処置について

処置室

発熱について

発熱は防御反応の一つである!
元気もよく、機嫌も良いような状態であれば、あわてて下げる必要はありません。また、高熱のために脳に障害が出ることはありません。
しかし、高熱によりぐったりしている時や、水分がとれなくなるようなら、熱を下げてあげた方がよいでしょう。

熱をさげる方法

◎おでこを冷やしてあげましょう。
◎脇の下や足の付け根の大きな血管のある場所を冷えすぎない程度に冷やしましょう。いやがるのを無理にすることはありません。
◎解熱剤を使う。
本院で出されたものであれば38.5℃をめやすに与えてください。解熱剤の間隔は6時間以上あけ、1日3回までにしましょう。

発熱時の注意

◎熱の上がりはじめは手足が冷たく寒がることがあるので、暖かくした方がいいです。手足が暖かくなってくると汗ばんできます。着がえをさせ、少し薄着にしてもよいでしょう。
◎水分を十分に与えるようにしましょう。一度にたくさん与えるともどしたりするといけないので、少しづつにしましょう。

薬の飲ませ方

乳児

水薬はそのまま、粉薬は少量の湯ざましで、団子状にして上あごにこすりつけ、その後、水、湯ざまし、ミルクなどを与えましょう。溶かすときには一口で飲める量にします。
一回分のミルクにまぜると、全部飲まなかったりミルク嫌いになったりしますので、少量のミルク(10~20ml)に溶かして薬を与え、それからおいしいミルクを与えます。

幼児

水薬も粉薬もなるべく他のものに溶かさないで、そのまま与える習慣をつけましょう。あとが楽になりますよ。薬を嫌がるときは、本人が納得すれば何に混ぜてもかまいません。
牛乳、アイスクリームなどに混ぜると苦味が和らぎます。酸味のある乳製品に混ぜると苦みが増すことがあります。スポーツドリンクや酸味のあるジュースも同様にかえって苦味が強くなることがあります。
粉薬を水にといて凍らせてもよいでしょう。

食事を食べていなくても、水分が取れていれば薬を飲ませてください。

解熱剤の使い方

熱が出た!

熱が高いと脳がやられる、なんてことをいいますが、40℃以上の熱があっても、髄膜炎や脳炎でなければ、脳はやられませんから安心してください。
解熱剤は一時しのぎ
熱さましは、熱によるつらさを軽くするための薬で、病気を治す薬ではありません。熱を下げることばかりに気をとらわれないようにしましょう。

解熱剤の使い方

※38.5℃以上で、つらそうにしていたら使う。
※高熱でも元気に見えるなら使わなくてもいいです。
※6時間以上たったらまた使ってもいいですが、1日3回ぐらいにしておきましょう。

坐薬か飲み薬か

効き目は同じです。吐く子には坐薬を、下痢の時や坐薬が嫌いな子には飲み薬を。坐薬と飲み薬を同時に使ってはいけません。

解熱剤以外の方法

冷えたタオルで頭を冷やす。そんな母の姿が子どもの心をなごませます。頭だけではなく、両わきや股の付け根を冷やすのも効果的です。
でも子どもが嫌がる時は無理に冷やさなくてもいいです。

病気のときのお風呂

熱があるときには入らない。

熱があるときは、お風呂を避けて安静にしましょう。
高い熱が下がり、まる1日たったらお風呂に入ってもかまいません。午前中に熱が出るようであれば、その日は様子を見たほうがよいでしょう。

熱がなくてもこんなときには入らない。

食欲がなく、元気がないとき。
下痢や吐いたりして、活気がないとき。

咳や鼻水が出ているときは?

顔色がよく、食欲や元気もある場合は、咳や鼻水があっても、お風呂に入っていいでしょう。

お風呂と新陳代謝

咳や鼻水が続くからと、何日もお風呂に入らないのは、あかがたまり皮膚の呼吸によくありません。新陳代謝を刺激したり、寝つきをよくするなどの効果がありますから、なるべく入れてあげましょう。
37.5℃以下ならいれてもかまいません。

下痢のときの食べ物(乳児)

母乳の場合

下痢のひどいとき

母乳はそのまま続けてかまいません。
授乳を短時間で切り上げて、その分回数を増やしましょう。

下痢がよくなったら

いつものとおり、ほしがるだけ飲ませましょう。

ミルクの場合

下痢のひどいとき

少量ずつ、回数を多くしましょう。

下痢がよくなったら

早目に普通のミルクの量にしていきましょう。

離乳食を食べていた子の場合

下痢のひどいとき

母乳、薄めたミルク、スポーツドリンク、野菜スープや味噌汁のうわずみ、りんごのすりおろし汁などを、少しずつ与える。

下痢がよくなったら

とうふ、パン粥、おかゆ、ベビーせんべい、ウエハース、にんじんやかぼちゃの煮つぶし、煮込みうどん、白身魚の煮付けなど。(ただし便の様子を見ながら慎重に)

下痢のときの食べ物(幼児)

水分を十分おぎなう
①水分補給が一番大切です。一回量に飲む量は少なくして、回数を増やしましょう。
②食事のことはあまり気にしないで、食欲がないときに無理に食べさせる必要はありません。食欲があっても、むしろひかえめにして、腸を休ませてあげましょう。

何を食べるか、便と相談

#便が水のような時は水分を中心に。
#便がドロドロならドロドロの食べ物を。
#便がやわらかい程度ならやわらかい食べ物を。

(水のような便のとき)

スポーツドリンク、野菜スープ、味噌汁、重湯,りんごのすりおろし、

(ドロドロの便のとき)

豆腐,パン粥,ベビーせんべい,ウエハース、バナナの裏ごし,にんじんやかぼちゃの煮つぶし,

(やわらかい便のとき)

おかゆ,うどん,白身魚の煮付け,卵,とりささみ,野菜の煮付け,

赤ちゃんの鼻づまり

生後1~2ヶ月ごろ、熱も咳もないのに鼻をつまらせたり、寝苦しそうにすることがあります。赤ちゃんの鼻の穴は小さく、鼻の粘膜が敏感なのでちょっとした気温の変化などの刺激で鼻水が出ます。また暖房で部屋が乾燥すると鼻水が粘っこくなったり、鼻くそになって鼻をつまらせてしまいます。赤ちゃんは口で呼吸することが下手なので、鼻が詰まるとお乳が飲みにくくなり、機嫌が悪くなります。

鼻づまりを治すためのヒント

暖房で部屋が乾燥しないように、加湿器などを使う。
鼻水をスポイトですいとったり、綿棒で鼻を掃除する。ただし、鼻水を吸い取るだけで鼻ずまりが治るとは限らないので、鼻の中を傷つけないよう、ほどほどに。
お風呂の湯気は鼻の粘膜を湿らせてくれるで、鼻づまりだけでお風呂をやめる必要はありません。

こんな時にはもう一度診察を

鼻水がいっぱい出るようになった、お乳の量が普段の半分ぐらいに減ってしまった,咳が出てきた、ゼイゼイしている、などのときは本格的なかぜかもしれません。もう一度診察を受けてください。

赤ちゃんの便秘☆

うんちは毎日出なくてもいい!

生後1カ月を過ぎると便の回数が減ってきます。便が2~3日出ないと便秘かしらと心配になりますが、まとめてたくさんやわらかい便が出て、体重も順調にふえているなら、便秘とは考えなくていいのです。
便がコロコロしていて、便をするときにいきんで苦しそうにするとか、肛門がきれたりするのを便秘といいます。

便秘のときの工夫!

おなかを優しくさする。
マルツエキス、砂糖水、果汁などを与えてみましょう。
離乳食が進んでいれば、果汁や野菜を加えることが大切です。

綿棒浣腸

綿棒にオリーブオイルなどをつけて、おしりの穴をくすぐってみましょう。または、綿の部分がかくれるくらいまで差し込んでも大丈夫です。

イチジク浣腸

どうしても便が出ないときは浣腸をします。浣腸が習慣になることはありません。

夜泣き

夜泣きはよく相談を受けることの1つです。この原因は取り立ててなく、成長過程の一つです。突然火がついたように泣き出し、何をしても泣き止まない。そして家庭の医学書を見てみると、突然泣き出したときに注意する病気として腸重積,そけいヘルニアが書いてあります。腸重積は嘔吐を伴いますし、顔色も悪くなります。鼡径ヘルニアは股関節のところ、あるいは男の子であれば陰嚢部分がはれるので一度見てみてください。あとは、気長にあやすしかないと思います。おとうさんに抱くのをかわってみるのも一つの方法です。日ごろ抱きなれていないと、余計に泣くかもしれないのでがんばってください。

人見知り

7-8ヶ月頃になると、いつも接している見慣れた人と、そうでない人とを見分けられるようになります。赤ちゃんは見慣れない人に対して、恐怖心をおぼえ泣くようになります。これが「人見知り」です。久しぶりに会ったおじいちゃん,おばあちゃんを見て泣いてしまい、お母さんから離れないことがあります。嫁としては難しい立場になりますが、これは賢くなった証拠なんだと思い、何とかきり抜けてください。

スキンケア

アトピー性皮膚炎の子は、もちろん皮膚の手入れは必要と考えますが、カサカさした肌の子もしたほうがよいでしょう。

スキンケア

一番大切なのは、毎日のスキンケア(お肌の手入れ)です。汗をかいたり、よだれや食べ物が顔についたらすぐに洗い流しましょう。
お風呂に入ったら、肌が乾ききらないうちに軟膏をぬりましょう。

石けん

石けんやシャンプーは使用してもかまいませんが、刺激が強いものや、匂いのきついものはさけたほうかよいでしょう。石けんはよくあわ立てて、手だけで洗いましょう。
スポンジやタオルなどでよくこすると、その後かゆみが強くなることがあります。

かゆい!

かさかさしているとかゆみがでやすい・・・かくと湿疹になりまたかく・・・という悪循環をやめないと、ますます悪くなるばかりです。
そこで、①爪をちゃんと切っておく、②あまり厚着にしない、③ちくちくする衣類はさける、④寝るときに暖めすぎない。

ステロイド軟膏について

ステロイド軟膏は、指示どおり使ってもらえばまったく問題ありません。ある程度ひどくなった湿疹には、ステロイド軟膏は必要です。そうでないと、なかなか痒みがとれず、悪循環をたち切ることができません。よくなれば、ステロイドの程度を弱いものに変えてゆき、ステロイドの入っていないもので維持していきます。

ゼイゼイいう咳

乳幼児は風邪をひくとゼイゼイいう咳が出ることがあります。これは何らかの原因で気管支がせまくなり、そこを空気がとおる時にゼイゼイいうのです。

ゼイゼイいう原因は?

以下の3つが考えられます。

痰がたまって気管支がせまくなる。
気管支が炎症により腫れてせまくなる。
アレルギーの反応で気管支が収縮してせまくなる(小児喘息)。
この3つを診察だけで区別することは難しいです。①,②はからだが大きくなり、気管支が太くなるとゼイゼイいわなくなります。体が大きくなってもゼイゼイいうようなら喘息の可能性が高いです。また、小児喘息はアレルギーが関与していることが多いので、検査でアレルギー反応がでれば喘息と考えられます。

治療はどうなるの?

ゼイゼイしているときの治療は、痰と出しやすくする薬や気管支をひろげる薬を飲んだり吸入したりすることが中心です。先ほどの3つを区別しないと治療に困ることはありません。そして胸の音がよくなるまでしっかり治療を受けましょう。

咳が出たら早めに受診しましょう!

ゼイゼイいったことがある子は咳がで出したら早めに受診しましょう。そして胸の音がゼイゼイいっていないか確かめてもらいましょう。