病気について

診察室

嘔吐下痢症

嘔吐下痢症とは?

嘔吐下痢症は冬から春に乳幼児に流行することが多いです。これは主にロタウイルス、ノロウィルス、アデノウイルスなどのウィルスが原因の場合が多いです。突然吐き始め、続いて水のような下痢(レモン色~白色の事もあり)になります。熱が出ることもあります。一週間ぐらいでよくなります。

治療の基本

薬も処方しますが、家庭での食事療法が一番です。吐き続けるときや脱水が強いときには、点滴や入院が必要になります。

家庭での治療

①はいたら飲むな;吐き気が強い間は、飲ませなくていいです。
②まずは水分から;吐き気がおちついてきたら水分を少しずつ飲ませます。(スポーツドリンク、経口補水液など)
③下痢だけになったら;便の様子を見ながら少しずつ消化のよい食べ物を与えます。
④お風呂;嘔吐がひどいときには控えましょう。

こんな時には早めに診察を受けましょう。

①病院から戻ってからも吐きつづけるとき。
②元気がなく、顔色が悪いとき。
③唇が乾いて、おしっこが少ないとき。

次の受診するまでに・・・

家庭で飲んだ水分の量、下痢や吐いた回数などを詳しくメモしておきましょう。

溶連菌感染症

溶連菌感染症とは?

溶連菌という細菌がのどに感染して、のどの痛み、熱、体や手足の発疹などが出ます。舌はイチゴのようになります。うつる病気です。

治療

溶連菌感染症と診断されたら、抗生剤を10~14日間飲みます。1日か2日で熱が下がり、のどの痛みも消えます。でも途中で薬を止めてしまうと再発することがあります。薬をきちんと飲まないとリウマチ熱や腎炎をおこすことがありますから、指示どおりに最後まで飲むことが大切です。

家庭で気をつけること

①家族にもうつる;きょうだいや両親に同じような症状があれば、受診してください。
②食べ物;のどの痛いときは、熱いものや辛いもの、すっぱいものは避けましょう。
③入浴;熱がなければかまいません。

こんな時にはもう一度受診を

①2日以上たっても熱が下がらないとき。
②のどの痛みが強くて水分をあまり飲まないとき。

保育所・学校

2~3日後の指定された日にもう一度受診して、医師の許可をもらってから登園(登校)してください。

手足口病

手足口病とは?

その名のように、手のひら、足のうら、口の中に小さな水ぶくれができる病気です。おしりやひざにできることもあります。乳幼児の間で流行します。以前にかかったことのある子でもまたうつる場合があります。熱はないか、あっても微熱程度ですみます。手足の水ぶくれは痛がりませんが、口の中が痛くて食べられなくなることがあります。

治療

治療をしなくても自然に治ることがほとんどです。熱やのどの痛みがあるときはその薬を処方します。

家庭で気をつけること

①食べ物;口の中が痛いときは、しみないものを与えましょう。熱いもの、塩味や酸味のつよいもの、かたいものは控えましょう。
②入浴;熱がなく元気ならかまいません。

保育所・学校

行ってよいかは症状次第です。主治医の指示に従いましょう。

こんなときはもう一度診察を

①口の中が痛くて水分をあまり飲まないとき。
②高い熱が3日以上続くとき。
③吐いてぐったりしているとき。

突発性発疹症

突発性発疹症とは?

生後4~5ヶ月から1歳ぐらいの赤ちゃんが、突然高い熱を出し3~4日続きます。生まれて初めての熱であることが多く、咳や鼻水はあまり出ません。熱が下がると、体と顔を中心に発疹が出ます。便もゆるくなることもあります。

治療

熱が高くて機嫌が悪ければ解熱剤を処方します。

家庭で気を付けること

★高い熱:とても高い熱が続きますが、熱で頭がおかしくなることはありませんから、あわてなくて大丈夫です。着せすぎ、掛けすぎに注意して、いやがらなければ頭を冷やすのもいいでしょう。
★ミルク:いつもどおりでいいです。便がゆるければ薄めるのもよいでしょう。熱があるので、いつもよりのみが悪くなるかもしれませんが、元気があれば大丈夫です。
★離乳食:食べれればいつもどおりでいいです。
★入浴 :高い熱があるときや元気がないときはやめましょう。発疹が出ているだけなら入ってもかまいません。

こんなときはもう一度診察を受けてください!!

ひきつけたとき。
水分を取らずに元気がないとき。

発疹が出るまでは先生も「突発疹らしい」としか言いません。高熱が続いて心配なときは昼間のうちにまた受診してください。

水いぼ(伝染性軟属腫)

水いぼとは?

丸くて光ったいぼで、つぶすと白いかたまりが出ます。この中にウイルスがたくさん含まれていて、これがつくとうつります。プールで感染することが多いです。本人には特に症状はないのですが、感染源になるのでプールには入れません。アトピー性皮膚炎がある子では、かいて広がることがあります。

治療方法

①自然に治るのを待つ。
特に処置をしなくても数ヶ月(長い時は1年ぐらい)で自然に治ります。しかし、その間はプールに入れません。
②つまんでとる。
ピンセットでつまんでとり、消毒します。当然痛みを伴いますし、小さいものはとりきれません。しかし、全てとれればその時点で治癒となります。麻酔のテープを張ってからすれば、痛みを軽くすることができます。
③腐食療法
硝酸銀溶液という液体でいぼを焼きます。1-2日は少しいたがゆい感じがします。かいたりしなければ2~3週間ぐらいでかさぶたとなり治ります。
④凍結療法
液体窒素で凍結させる方法です。週一回で数回繰り返します。
⑤飲み薬
漢方薬があります。2~3ヶ月飲む必要があります。

本院では①②⑤をおこなうことができます。お子さんの状態状況を考え、保護者の方と相談して治療法を決めます。

気管支喘息について

気管支喘息とは

気管支が何らかの原因で、発作的に細くなる病気です。そのため、細くなった気管支を空気がとおる時に、ゼイゼイまたはヒューヒュー言ったりします。このような呼吸困難を繰り返すのが気管支喘息です。
繰り返すかどうかを見ないとわからないので、すぐに診断できないこともあります。

ゼイゼイいえば喘息なの?

乳幼児期は、ゼイゼイいう風邪によくかかる時期です。だから、ゼイゼイいえば必ず喘息というわけではありません。
①気管支に痰がたまる,②気管支が炎症ではれる,③アレルギー反応ではれる(小児喘息)、いずれもゼイゼイと聞こえますが、この三つを完全に区別することはできません。しかし、繰り返しておこり、2-3歳になってもゼイゼイいうようなら、喘息の可能性がたかいです。

喘息は治るの?

小児喘息は遅くとも中学校までに七割の子どもは治ります。しかし、おかあさんが自分だけの判断でくすりをやめたり、またいろんな薬をやたらに飲ませていては、なおるどころか副作用が出ることもあります。お医者さんの指示に従い、何かあれば相談しましょう。

喘息の治療について

薬物療法

発作のときと、発作のないときに分けて考えます。

発作のとき

水分をたくさん飲んで、腹式呼吸をするだけでもよくなる発作から、吸入や発作止めの飲み薬でもよくならず、点滴が必要なときもあります。

発作がないとき

特に必要としない子から、毎日の吸入,飲み薬が必要な場合があります。

環境整備

喘息の原因として一番多いのは家のほこり(主成分はダニ)です。家のほこりを少なくすることはとても大切なことです。
#よく掃除をしましょう。
#じゅうたんは、ほこりがたまりやすいのでさけたほうがよいでしょう。
#寝室のほこりや寝具には特に気をつけましょう。シーツ・カバーはこまめに取り替えましょう。
ふとんは日にあてて干しましょう。
干した後、掃除機でほこりを吸い取りましょう。

鍛錬療法

体を鍛えることも大事なことです。

麻疹

はしかとは?

原因は麻疹ウイルスによる感染症で、はしかの人と接触があってから10~12日後に症状が出ます。
経過は、発熱,咳嗽,眼脂,鼻汁が3~4日間続いた後(カタル期)に、口の中にコプリック斑という麻疹特有の発疹が出ます。その翌日よりもう1℃ぐらい高熱となり、発疹が出現します(発疹期)。その発疹は全身に広がり、正常の皮膚がわからないぐらいになります。そして赤かった発疹が暗紫色となり、熱が下がります(回復期)。
約一週間発熱が続き、子どもにとってはとても重たい病気です。カタル期には麻疹と診断することは困難で、最初は「かぜ」と診断されています。

合併症が多い!

肺炎,中耳炎などを合併することも多く、麻疹にかかった人の2000~3000人に1人の割合で脳炎になります。また特に合併症がなくても、食事がとれず入院になることも多い病気です。

治療は?

熱やかぜ症状に対するものが中心です。水分を十分与えることが重要です。

予防は?

ワクチンが有効です。

風疹

風疹とは?

原因は風疹ウイルスによる感染で、風疹の人と接触があってから14~21日後に症状が出ます。
発疹,発熱(小児では高くなりません),後頚部リンパ節腫脹が主症状です。

合併症はあるの?

風疹にかかった人の3000人に1人の割合で血小板減少性紫斑病が、6000人に1人の割合で脳炎がみられます。
また、妊婦が妊娠初期に風疹にかかると、生まれてくる子どもの眼耳心臓に障害をきたすことがあります。このようにして障害をもった子どもを先天性風疹症候群と言います。

治療は?

小児では、無治療で治癒することがほとんどです。

予防は?

ワクチンが有効です。

みずぼうそう(水痘)

みずぼうそうとは?

原因は水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症で、みずぼうそうの人と接触があってから、14~21日間で症状が出ます。発熱,発疹(水疱疹)が主症状で、その程度は個人差がかなりあります。ほんの少ししか発疹が出ない子もいれば、たくさん出て熱が高くなる子もいます。
また、このウイルスは病気が治った後に、神経に潜伏します。そして、免疫力が低下したときに、帯状に水疱疹ができます。これが帯状疱疹です。

治療は?

現在、水痘に有効な飲み薬があります。どの子がひどくなるか予測できないので、本院では水痘と診断した子どもにすべて処方しています。特に、アトピー性皮膚炎の子はひどくなる可能性が高いので、飲み薬を飲んだほうがいいでしょう。

お風呂はどうするの?

熱がなく、食欲もあれば入ってかまいません。体の汚れは落としたほうがいいですが、水泡をゴシゴシ洗わないようにしましょう。

予防は?

ワクチンが有効です。
まだ水痘にかかっていない子が、水痘と接触した場合、72時間以内にワクチンを接種すれば、発症しないか発症しても軽症化できます。

おたふくかぜ

おたふくかぜとは?

おたふくかぜウイルスによる感染症で、発熱と両側または一側の耳下腺腫脹が主症状です。顎下腺(顎の下),舌下腺の腫脹を伴うこともあります。熱の程度は個人差があります。腫脹は一週間ぐらいで消失します。おたふくかぜの人と接触があってから、2~3週間で症状が出ます。

はれが2~3日でなくなった場合は?

2~3日で腫脹が消失した場合は、おたふくかぜか判断できません。診断するには、2週間後に抗体を測定することが必要です。

合併症は?

髄膜炎がおたふくかぜになった人の100人に1人の確率でおこります。頭痛や嘔吐を伴うようになったら、早めに受診しましょう。また、難治性の難聴が20000人に1人の確率でおこります。

治療は?

痛みに対するものが中心です。抗生剤を処方することがありますが、薬を飲み始めてすぐに腫脹が消失した場合は、おたふくかぜではない可能性が高いです。予防にはワクチンが有効です。

お風呂はどうするの?

熱がなく、食欲もあれば入ってかまいません。

おたふくかぜをしていないお父さん,お母さんへ

不顕性感染(症状がでない感染)だった可能性もあります。まず、おたふくかぜの抗体をチェックされたらどうでしょうか。そして、抗体がなければワクチン接種をおすすめします。

伝染性紅斑(りんご病)

りんご病とは?

ヒトパルボウイルスB19による感染症で、ほっぺたが赤くなり、腕や太もものところにもまだらな発赤がでます。その部分が、かゆくなったりすることがあります。一般には発疹以外に症状はなく、1週間ぐらいで発疹は消失します。
発疹が出現した時期にはウイルス排泄はなく、人にうつす時期はすぎています。

治療法は?

ヒトパルボウイルスB19に効く薬はありません。自然に1週間ぐらいで治ります。痒みがあれば痒み止めを出します。

お風呂はどうするの?

熱がなく、食欲もあれば入ってかまいません。

通園・通学は?

お医者さんとよく相談してください。

おねしょ

おねしょをする子の割合は、小学校入学時でクラスに3~5人、高学年でも2~3人と考えられます。

おしっこをする仕組み

膀胱におしっこがたまりいっぱいになると、膀胱の筋肉が収縮します。これは自律神経によりコントロールされており、自分の意志ではできません。膀胱にいっぱになると同時に出てしまったらもれてしまうので、出口のところにおしっこを出すのをとめる筋肉があります。これは自分でコントロールできる筋肉で、収縮させるとおしっこをがまんすることができます。
なぜおねしょをするのでしょうか?
夜間のおしっこの量が膀胱にためられる量より多ければもれてしまいます。また、おしっこの量が少なくても膀胱が小さければもれてしまいます。
なぜ夜起こしてはいけないのでしょうか?
夜間の尿量は抗利尿ホルモンの分泌によって少なくなります。このホルモンは熟睡しないとでません。夜きまった時間に起こすと熟睡できず、ホルモンの分泌が悪くなるからです。

なぜしかってはいけないのか?

緊張するとおしっこがしたくなることは大人でもあります。これは自律神経が興奮して、膀胱のふくらみが悪くなるからです。いつもしかられていると、緊張した状態が持続し、おしっこがためられなくなるのです。
夜間のおしっこの量を減らすには、夕食およびそれ以降の水分制限が必要!!
夕食での水分も夜間のおしっこになるので水分制限が必要です。そして夕食以降は水分をとらないようにすることが重要です。
いつから治療を考えた方がいいでしょうか?
小学校に入っても週3回以上あるなら治療を考えた方がいいでしょう。外来ではまずおしっこの出る仕組みなどのお話をします。そして夕食時間や寝る時間などの生活リズムについてお話を聞きます。どんなタイプのおねしょかを知るために夜間の尿量を測ってもらい、朝一番のおしっこの濃さを調べます。その結果によって治療を決めていきます。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎とは悪くなったりよくなったりを繰り返す痒みのある湿疹で、多くはアレルギー素因が関係しています。原因はアトピーの素因がある人にいろいろな刺激が加わり、発症すると考えられています。その刺激は、乳児では食物のことが多いです。幼児期以降はダニなどの環境因子に変わってきます。そして大人ではストレスが刺激因子となることもあります。また、年齢により湿疹の出現部位も変化します。乳児では頭・顔よりはじまります。幼少児期は頚部や手・足の関節にでます。思春期・成人期は上半身に強く出る傾向があります。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療はぬり薬と飲み薬が中心です。ひどいときにはステロイド軟膏が必要です。副作用を怖がって、指示どおりにぬらなかったり、途中でやめてしまうと逆にひどくなることもあります。すぐに治ってしまう治療法はなく、症状が変化することもあります。そうなれば治療法も変わります。自分で判断せず、医師に相談しましょう。そして、できるだけ刺激因子は取り除きましょう。

スキンケア

湿疹がよくなってきてもスキンケアは必要です。アトピー性皮膚炎のこの皮膚は、水分を保つことができずカサカサします。保湿剤によるスキンケアは重要で、特にお風呂上りのまだ水分が残っているときにぬってあげましょう。体を洗うときは、石鹸をよく泡立てて手で皮膚の汚れを洗い流すようにしましょう。スポンジなどでゴシゴシ洗うとよけいにかゆくなります。

赤ちゃんの黄疸

黄疸とは、血液中のビリルビンが高くなった状態をいいます。目が黄色くなったり、ひどくなると顔や体も黄色くなります。

なぜ黄疸がでるのか?

どんな赤ちゃんでも、生まれて1週間は黄疸がでやすい時期です。それは母親の胎内にいたときの酸素を運ぶヘモグロビンが、生後大人のヘモグロビンに変わっていきます。そのときにでるビリルビンを、未熟な赤ちゃんの肝臓で処理しきれず、黄疸が出るのです。この黄疸を生理的黄疸といい、生後3~4日頃より目立ってきます。

生理的な黄疸も治療をすることがある。

生理的黄疸も強くなれば治療をすることがあります。よくおこなわれるのが光線療法です。体に光をあてると、血液中のビリルビンが尿や便に排泄されやすいビリルビンに変化し、血液中のビリルビンが低下するのです。
注意が必要な黄疸
生まれた当日より黄疸が強くでる。
便の色が白い。
生後1ヶ月をすぎても黄疸が軽減しない。
以上のようなときには、生理的黄疸ではない可能があるので、注意が必要です。医師に相談しましょう。

とびひ(伝染性膿痂疹)

とびひとは?

虫刺され,湿疹,あせもなどをかいているうちに、細菌がつくことがあります。その細菌が出す毒素によって水泡ができます。これを「とびひ」といいます。水泡を触った手で他の部分をさわるとどんどんひろがっていきます。

治療

治療は抗生物質の飲み薬とぬり薬を使います。治療を開始すれば4日ほどでかさぶたになり治ります。最近、抗生物質の効きが悪い菌による感染も増えており、治療を開始しても増えていくときは早めに再受診しましょう。

お風呂はどうすればいいの?

お風呂は避け、シャワーにした方がいいでしょう。あまりゴシゴシ洗わず、汚れをさっと落とすようにしましょう。

他に気をつけることとして!

手をよく洗い、爪を切っておきましょう。
プールは水泡が乾いてかさぶたになるまでやめましょう。

食物アレルギーについて

アレルギーとは?

人間はいろいろな免疫の力によってウィルスや細菌が体の中に入ってくることを防いでいます。その免疫反応により不都合が出てしまった状態がアレルギーです。アレルギーが原因でおこりやすい病気は年齢によって異なります。乳幼児期は食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、幼児期は気管支喘息、学童期はアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎が多いです

食物アレルギーとは?

接種した食物が原因で免疫学的機序により蕁麻疹、湿疹、下痢、咳、喘鳴などの症状がおこることを食物アレルギーといいます。小児の食物アレルギーは乳児期に最も多くみられ、その原因として卵、牛乳、小麦、大豆が多いです。その食物を食べてすぐに蕁麻疹などの症状がでる場合の診断には血液検査が役に立ちます。
食物アレルギーの診断がついたら原因食物の摂取制限をします。湿疹がひどければステロイド軟膏、保湿剤でのスキンレアが必要になります。アレルギーの原因食物からの刺激は食べるだけでなくジクジクした皮膚からもおこるからです。
乳児期に食物アレルギーと診断された場合、まず1歳頃まで原因食物の制限をします。また母乳栄養で本児の除去のみで症状の改善がない場合、母親の食事制限をする場合もあります。そして湿疹の状態、血液検査を再検査し、制限を解除するかどうか判断します。制限を持続する場合、その後3-6か月ごとの経過、検査で制限解除の時期を判断していきます。
解除した場合、二次製品から開始する場合が多いです。たとえば、卵でしたら卵を原料としているお菓子から開始し、症状がなければハンバーグやフライなどのつなぎ、最後に卵そのものの順にしています。
摂取により危険な症状が予測される場合は摂取するものを持参していただき院内で摂取していただています。

ノロウイルス感染症について

ノロウイルスは感染性胃腸炎の主たる原因微生物であり、11月から3月の冬期に流行することが多いです。
感染経路はノロウイルスに汚染されたカキなどの2枚貝を食べることにより起こる場合と、患者の糞便や吐物などによる糞口感染による場合があります。
症状は嘔吐、下痢、腹痛、発熱である。潜伏期間は1~2日で症状の期間は3~4日の場合が多いです。
診断は食事の内容、症状、周囲の感染状況によって行う場合が多いです。
治療は吐き気止め、下痢止めなどの対症療法でノロウイルスに直接効く薬はありません。
ノロウイルスはわずかな量のウイルスが体内に入っただけ感染します。よって吐物や下痢便の処理が重要となります。
処理方法はまずマスク、手袋、ビニールエプロンをつけてペーパータオル、使い捨てタオル等で汚物を外部から包み込むように拭き取ります。そして直ちにビニール袋に入れて1000ppmの次亜塩素酸を加えます。またノロウイルスは乾燥すると空中に漂い、口に入って感染することもあります。よって拭き取った場所も200ppmの次亜塩素酸で消毒をします。汚れた衣類はバケツやたらいでまず水洗いし、さらに塩素系消毒剤で消毒する(漂白剤につける)。
出席停止期間:下痢・嘔吐から回復し、全身状態が良好で普段の食事がとれるようになるまではお休みするのが一般的と考えます。

参考:市販の塩素系漂白剤は塩素濃度5~6%(50000~60000ppm)です。

1000ppm液の作り方は500mlのペットボトルにキャップ2杯の原液を入れ、水を加えて500mlにします。
200ppm液の作り方は500mlのペットボトルにキャップ半分の原液を入れ、水を加えて500mlにします。

急性中耳炎

急性中耳炎にはどうしてなるのでしょうか。
急性中耳炎は鼻腔に存在する細菌が耳管を通って中耳に感染することによって起きます。なので、鼻汁がある小児は誰でも中耳炎になる可能性があります。
2才以下の子が一度急性中耳炎になると繰り返して起こすことがあります。これは免疫能力が未熟なためです。また集団保育、短期間の授乳、両親の喫煙は急性中耳炎の発症・反復の要因になります。

どんな細菌が原因ですか。

原因となる菌はインフルエンザ菌、肺炎球菌が多いです。これらの菌は鼻腔内にいてもおかしくない菌ですが、最近抗生剤が効かない菌が増加していることが問題です。これは必要のない抗生物質の投与や乱用が原因と考えられていています。

急性中耳炎になるとどんな症状が出ますか。

急性中耳炎の症状は鼻水、耳痛です。発熱の原因になることもあります。しかし、小さい子では鼻水以外症状がない場合も多いです。鼻水が持続している場合、熱がある場合は鼓膜を確認するようにしています。

診断は?

急性中耳炎の診断は鼓膜の発赤、腫脹、膿の貯留(黄色くみえる)があれば診断できます。

治療は?

治療は①鼻汁の吸引、②抗生物質・去痰剤の内服、③鼓膜切開です。本院で鼓膜切開はできないので必要な場合は耳鼻科へ行っていただきます。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは?

アレルギー性鼻炎は鼻粘膜のⅠ型アレルギー性疾患で、鼻粘膜にアレルゲン(ほこり、ダニ、花粉など)がつくことによりくしゃみ、鼻水などが出る病気です。
アレルギー性鼻炎は1年中症状がある通年性と季節性に分類されます。通年性の原因はほこり・ダニが多く、季節性はスギ・ヒノキなどの花粉によるものが多いです。

症状は?

症状はくしゃみ・水溶性の鼻水・鼻閉が主症状です。鼻閉による不眠、鼻や眼のかゆみもあります。感染症を併発すると粘稠な膿性の鼻汁になり診断が難しくなることがあります。

診断は?

診断は季節性がないかなどの問診と、くしゃみ・水溶性鼻漏・鼻閉の症状が持続する場合アレルギー性鼻炎を疑います。鼻の粘膜を観察すると一般的には白っぽくみえる場合が多いです。

検査はなにがありますか?

まず鼻汁中のアレルギー細胞を調べます。鼻汁の中にアレルギーの細胞が多ければアレルギー性鼻炎と考えられます。アレルギーを起こすものを調べるには血液検査が必要となります。

治療は?

治療は抗アレルギー剤の内服、ステロイドの点鼻薬を使います。ダニ・ほこりに反応がある場合は室内および寝具の清掃も大事です。花粉に対する反応がある場合、飛散が多い時期はマスク装着で侵入を軽減させることも重要です。これらはいずれも対症療法です。
根本的な治療として舌下免疫療法がありますが、12才以上が対症となります。